Examination for Lung cancer

肺癌検診

 
[肺癌検診とは]
 肺癌で死亡される患者さんが男性では胃癌を抜いて癌死亡の中で第1位になりました。何故肺癌は治らないのでしょうか。それは肺癌は早い時期といっても2センチぐらいにならないと発見されないため、発見されたときには既に遅いことが多いのです。小さくて早い時期の肺癌を普通のレントゲン写真で見つけることは困難です。そこでヘリカルCTという新しいCTを用いてこのミリ肺癌を見つけようというわけです。

この肺癌検診の内容は次のとおりです。

 胸部のX線撮影を、体の向きを変えて4枚撮影します。普通の人間ドックや肺癌検診では1枚ですが、これでは肺の20%が心臓や縦隔の影に隠れています。この隠れる部分をなくすのが4枚撮る理由です。
 テーブルの上に乗って、大きく息を吸ってから息を止めてください。25秒程息を止めていただければ十分です。
 血液の検査をします。腫瘍マーカーという癌細胞の成分が、血液の中に混じっているかどうか知るためです。
 痰の中に癌細胞があるかどうか調べるためです。CTでは見つからない、中枢側の気管支にできた癌を見つけるための検査です。
 

 通常のレントゲン写真では発見できない肺癌が、このヘリカルCTにより、ずいぶん見つかるようになりました。図1は80歳、男性のレントゲン写真ですが、異常陰影は認められませんでした。しかし、胸部CTでは右肺の矢印の位置に直径約7mmの肺癌が発見されました(図2)。この患者様は、当院で胸腔鏡下に手術を施行して現在まで再発なく経過しています。

図1 胸部レントゲン写真 図2 胸部CT
 このように早い時期に発見し治療すれば、肺癌といってもなおる可能性がかなりあるのです。また、胸部レントゲン、胸部CTで異常が見られなくても、喀痰の中から癌細胞が見られることがあります。これは、気管支の中枢部に癌ができている場合に多く見られます。 図3は喀痰中に見られた癌細胞です。提出していただいた痰に特殊な染色を行い、私たち臨床細胞学会指導医が判定いたします。
図3 喀痰中に見られる悪性細胞
 以上が肺癌検診の内容ですが、この肺癌検診は年1回では不十分です。できれば年2回受けられることをお勧めします。