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「すくらむ」とは赤穂市民病院院内報です。このページはすくらむの記事からご紹介します。

特集 病院の夢

電子カルテ導入に向けて

診療部 小野成樹

 平成10年に新病院開院と共に党員もオーダリングシステムを採用し、ATOMS10の愛称のもとにコンピュータが診療に欠かせないものになりました。当時は最新式で新病院効果も相まって見学もひっきりなしという状態でした。いち早く外来診療室での画像供覧システムを導入など画期的でありました。
 しかし、それから5年。システムは老朽化し、悲鳴を上げており、診療も休み休み状態も起こってきております。当初5年程度で電子カルテへ移行というもくろみも予算の問題で全く進まない状態になってしまいました。その一方で、診療形態の変化からカルテは厚くなり、カルテ庫も満杯でこちらの方も動きがとれなくなりました。
 この時期平成13年12月厚生労働省からは「保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン」が出され、平成16年度までに2次医療圏毎に少なくとも一施設は電子カルテシステムの普及をはかり、平成18年度までに400床以上の病院の60%以上に普及の構想がまとめられました。その地ならしに補助金事業が続けざまに出てきております。当院もそれに手を挙げ、ようやく電子カルテへの道が開けようとしています。
 オーダリングシステムも当初なじめない人も少なくありませんでしたが、今ではデータ整理に、患者説明になくてはならないものになっております。しかし、紙カルテとの併用で二度手間になることも多く効率的とはいえないと思われます。それに反して電子カルテは一度の入力で多くの仕事をいつでもどこでもこなせる利点があります。しかも用語や基準値の標準化によってデータ処理や統計処理が容易になり、各病院毎の比較や連携が容易となってきます。メールやインターネットを使いこなす現代の人にとって違和感の少ないものであります。またこれからは病院単独型ではなくネットワーク型が主流になってくると思われますが、それにより病診連携・病病連携も容易になり、一人一生涯一カルテの時代となり、健診などの保健から介護の福祉まで一つの筋の通ったものとなることでしょう。そして無駄のない医療、効率のよい医療、さらに情報網の利用から最先端医療も誰もが受けられる時代となるものと思われます。
 その一歩が当院でもこの4月から始まります。大いに楽しみにし、よりよいものにしていきたいものです。
 現在当院にふさわしい電子カルテシステムを検討中ですが、限られた予算内で以下に有用なシステムを構築し、21世紀の病院の先駆けになれるか、大事なときと思われます。
 電子カルテは現在の医療のキーワードである医療の効率化、情報開示、クリニカルパス、病診連携・病病連携、インフォームドコンセント、リスクマネージメント等々を考える上で必需品となってきており、この際医療を見直す良い機会とも思われます。患者導線の見直し、運用マニュアルの再検討も行い、地域中核病院として市内の病院・診療所も一緒になって市民の健康を守る、赤穂・市民病院から赤穂市民・病院へ脱皮していきたいものであります。

看護部 大西栄子

 平成10年2月、新病院への移転に伴い病院情報システム(ATOMS10)が稼働してはや5年が経過しようとしている。振り返ってみると、情報システムについて全く知識・経験がなく、コンピュータの仕組みなどイメージすらわかなかった私が、準備段階から看護支援システムの開発に関わることになったからまぁ大変! メーカーの方々と一つのことをイメージするときにかなりの開きがあり、修正を依頼するにも不可能なことを言っていたり、看護計画においては大幅な変更をお願いすることもあった。使用しながらメーカーの方との話し合いを重ね現在の看護支援システムに至っている。
 システム導入への不安は強かったが、導入に伴い様々な看護業務の効率化が図られ、今では重要な位置を占め、なくてはならないシステムとなっている。ただ、今のシステムは紙ベースであり平面的で機能に制限があることも事実である。
 平成14年7月より、電子カルテ開発に向けて委員会が結成され各々のワーキングが頻回に開催されている。今までのオーダリング+看護支援システムに関わって判ったつもりでいたが、電子カルテとなるとトータルコーディネートされた立体的なシステムであり、私自身の発想の転換をしなければならず戸惑っている。
 平成15年4月には現行機能をそのまま移行しながら一部新システムの導入また、画面レイアウトの変更などあるほか、リアルタイムで情報の共有が可能となる。稼働して5年あまりの期間で医療を取り巻く環境は大きく変化しクリニカルパス、リスクマネージメント支援機能などの取り組みも必要となってきている。各々の職種の権限を明確にし、法的な規定を考慮しつつ、各々の役割を果たすことのできるシステム・昨日の構築、そして統合が必要であり、患者中心の医療。患者サービスの向上という目的を見失うことなく開発・レベルアップされていかなければならないと思う。

臨床検査部 田渕亨

未来の電子カルテについて言えば、何かのSFに出てくるようですが・・・・こんな感じです。

<外来編>
 「こんにちわ・・」A氏が患者カードを差し出した。
 「その後、具合はどうですか?」患者カードを受け取った医師は机の上のリーダーにカードを差し込んだ。
 医師が「こちらを見てください・・」とさっと差し出した空間にコンピュータのウィンドウが開き、電子カルテが現れる。(ちなみにこのウィンドウはプラズマビジョンよりはるかに高性能で高解像度です)
 そこには前回既に検査済みのA氏のすべての検査データや心電図やCT、MRIなどの検査画像などが次々と映し出される。
 医師はそれらのデータをA氏に説明しながら「大丈夫ですよ。良いお薬を出しましょう。」と、にこやかに話しながら処方とA氏のかかりつけ医の○○先生へのメッセージを入力した。
 そして、患者カードをA氏に手渡して言った。「次回は、○○医院にこのカードをもって受診してくださいね。このカードでこちらの病院のあなたのカルテが○○先生の所のコンピュータで見られますからね。お大事に。」 ・ ・ ・ 手短に語るとこんな感じかな?

 10年前なら夢のようなお話も、書いてみるともうどこかの病院で実際に行われていそうな話ですよね。電子カルテは、情報の共有を視野に入れているので、改ざんの防止や機密性の保持などいろいろな問題もあるようですが、それらの問題点をクリアしながら使用されるようになってきているようです。
 気がつくと、未来だと思っていたアトムやドラえもんの時代でさえもうそこまで来ているような気がします。

 未来から現実のお話に戻します。電子カルテに期待することは、1.操作性が良いこと 2.患者情報の共有化と結果としての医療の高度化 3.ペーパーレスなどの検査業務の効率化 4.医療画像の電子化による画像情報の共有化 5.標準化コードや標準的医学用語辞書を備え他施設間とスムースな共有化は可能なこと ・ ・ ・ などなどです。
 そしてなにより患者様に一番にその恩恵がもたらされることを心から祈っています。


すくらむNo28 より

update 01/17/2003